お酒に強い人、弱い人
お酒に強いか弱いかには、体質による個人差があります。
その違いを理解し、自分に合った飲み方や適量を知ることが、適正飲酒につながります。
~自分の体質を知る方法「エタノール・パッチテスト」~
エタノール・パッチテストは、アルコールに対する体質の目安を知るための簡易的な方法です。
自分の体質を理解し、飲酒量の目安を考える際の参考になります。
- アルコールを毎日飲む人は、正しい反応が出ない場合があります。
方法
- ガーゼを消毒用アルコール(70%エタノール)で湿らせ、テープで固定する
- 上腕の内側などの皮膚が柔らかい部分に貼る
- 5分後にテープをはがす
- はがしてから20秒後と5分後に皮膚の反応を確認する
判定(目安)
- 20秒後に赤くなる:ALDH2活性がほとんどないタイプ
- 20秒後は変化がなく、5分後に赤くなる:ALDH2活性が弱いタイプ
皮膚が赤くなるのは、悪酔いの原因となるアセトアルデヒドが体内で生成されていることによる反応と考えられます。
注意
- 安静時に行う(運動直後は避ける)
- エタノールをガーゼの外にはみ出させない
- 貼った方の手を締め付けない
- テープの上から押さえない
- お酒を飲んでいない状態で行う
考案者:久里浜医療センター 樋口 進
お酒の強さに影響する要因
お酒の強さには、遺伝だけでなく、体内の水分量や体重、年齢、性別など、さまざまな要因が関係しています。
男女差
一般に女性は、男性よりも体内の水分量が少なく、体格や肝臓が小さい傾向があるため、アルコールの影響を受けやすい。
年齢差
高齢になると体内の水分量が減少するため、若年層に比べてお酒に弱くなる傾向がある。
体格の差
体格の良い人は肝臓も比較的大きく、アルコールの代謝速度が速い傾向がある。
一方アルコールは脂肪に溶けにくいため、体脂肪率が高い人は体内の水分割合が低くなり、血中アルコール濃度が高くなりやすい。
アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに分解され、さらにALDH2(アルデヒド脱水素酵素)の働きによって無害な酢酸へと代謝されます。
このALDH2には、
- 活性が強いタイプ:お酒に強いタイプ
- 活性が弱いタイプ:お酒に弱いタイプ
- 活性がほとんどないタイプ:ほとんど飲めないタイプ
の3種類があり、これによってお酒に強いか弱いかが決まります。
この体質は遺伝によって決まり、後天的に変わることはありません。
日本人のうち、約37~38%はALDH2活性が弱いタイプ、約6~7%は活性がほとんどないタイプであるといわれており、日本人が欧米人に比べてお酒に弱い人が多いとされる背景の一つです。
また、非活性型はモンゴロイド(黄色人種)にのみみられる特徴で、コーカソイド(白人)やネグロイド(黒人)には低・非活性型はいないのです。
ALDH2 の低活性型、非活性型の人の割合
- 出典:Harada, S.: Genetic polymorphism of alcohol Metabolizing enzymes and
its Implication to human Ecology. J. Anthrop. Soc. Nippon, 99: 123-139, 1991.
POINT
- 日本人の37~38%は遺伝的にお酒に弱い体質、6~7%の人は、遺伝的にお酒をまったく飲めない体質である
- お酒の強さには、遺伝に加え、性別・年齢・体格などによる個人差がある
記事監修:独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター
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