「酔い」のメカニズム
「酔う」とはどのような状態なのかを理解することは、飲み過ぎを防ぐ手がかりになります。
「酔い」が起こる仕組みと、その進み方について紹介します。
「酔う」とは
「酔う」とは、血液に溶け込んだアルコールが脳に運ばれ、脳の働きが一時的に麻痺する状態を指します。
酔いの程度は、本来は脳内のアルコール濃度によって決まりますが、脳内の濃度を直接測定することはできません。そのため、血液中のアルコール濃度(アルコール血中濃度)を目安として、酔いの程度を判断します。
酔いの進み方と体への影響
酔いの状態は、アルコール血中濃度によって6段階に分けられています(下表参照)。
楽しくお酒を飲めるのは「ほろ酔い期」までとされています。
この段階では、大脳の働きがやや抑えられることで、本能や感情をつかさどる部分の働きが相対的に活発になり、解放感を感じたり、陽気になったりします。
しかし、摂取するアルコールの量が増えるにつれて酔いは進み、脳の麻痺も強くなります。
「酩酊(めいてい)初期」や「酩酊期」になると知覚や判断力、運動能力が低下し、繰り返し同じ話をしたり千鳥足になったりするなどの体調の変化が現れます。
さらに飲酒が進み、「昏睡期」に至ると、麻痺は脳全体に及び、呼吸をつかさどる機能にも影響が出ます。この状態では、呼吸困難に陥り、最悪の場合には命にかかわる危険性もあります。
酔いの感じ方には個人差がある
酔いの進み方や現れ方には、体質、体調、年齢、性別などによる個人差があります。
そのため、自分がどの段階でどのような状態になるのかを知っておくことも、適正飲酒を心がけるうえで重要です。
アルコール血中濃度の目安
アルコール血中濃度は、実験的に得られた次の簡易式を用いて、おおよその目安を算出することができます。
アルコール血中濃度の計算式(目安)
アルコール血中濃度と酔いの状態
血中アルコール濃度は、体重・性差・飲酒量・飲むペース・食事の有無などで変わります。
またアルコールの分解の早い人と遅い人では、アルコールの分解速度は数倍異なり、飲酒量が同じであっても、飲酒後に時間が経過すればするほど、血中アルコール濃度の差は大きくなります。
- 食事をしながら飲んだ場合、血中濃度は推定値より低くなる傾向があります。
体重60Kgの中年男性が、飲酒後30分程度経過した時の血中アルコール濃度と酔いの状態の事例。
- あくまで目安(参考値)であり、実際の酔い方には個人差があります
| 上段アルコール血中濃度(%) 下段アルコール呼気中濃度(ng/L) |
アルコール呼気中濃度(ng/L) | 酒量 | 酔いの状態 |
|---|---|---|---|
| 爽快期 (0.02~0.04) (0.10~0.20) |
ビール(中びん~1本) 日本酒(~1合) ウィスキー(シングル~2杯) |
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| ほろ酔い期 (0.05~0.10) (0.25~0.50) |
ビール(中びん1〜2本) 日本酒(1~2合) ウィスキー(シングル~3杯) |
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| 酩酊初期 (0.11~0.15) (0.55〜0.75) |
ビール(中びん3本) 日本酒(3合) ウィスキー(ダブル3杯) |
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| 酩酊期 (0.16~0.30) (0.80~1.50) |
ビール(中びん4~6本) 日本酒(4~6合) ウィスキー(ダブル5杯) |
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| 泥酔期 (0.31~0.40) (1.55~2.00) |
ビール(中びん7〜10本) 日本酒(7~1升) ウィスキー(ボトル1本) |
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| 昏睡期 (0.41~0.50) (2.05〜2.50) |
ビール(中びん10本超) 日本酒(1升超) ウィスキー(ボトル1本超) |
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- 出典:健康日本21推進のためのアルコール保健指導マニュアル 樋口 進編 2003.
POINT
- お酒を楽しく、健康的に飲める目安は、アルコール血中濃度0.1%程度まで
- 酔いの進み方には個人差があるため、自分にとっての酔いの状態を把握しておくことが大切
記事監修:独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター
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