「代謝」と「分解」
お酒を飲んだとき、体の中で何が起きているのかを知ることは、飲酒を考えるうえでの基本になります。
アルコールが体内でどのように処理されるのかを、分かりやすく解説します。
アルコールを分解するのは肝臓の役割
お酒の主たる成分はアルコール(エタノール)と水です。
お酒を飲んで「酔った」状態になるのは、体や脳に影響を及ぼすアルコールの作用によるものです。
体内に入ったアルコールは、血液に溶け込んで全身を巡り、最終的に肝臓へ運ばれて処理されます。この一連の流れをアルコールの「代謝」といい、その中心的な役割を担っているのが肝臓です。
アルコールが分解される仕組み(アルコール代謝)
肝臓では、アルコールが酵素の働きによって段階的に分解され、最終的に体に無害な物質へと変えられます。
顔が赤くなるのは、この分解の過程で生成されるアセトアルデヒドの影響によるものです。
肝臓が処理できるアルコールの量には個人差がありますが、体重60~70kgの人で、1時間に約5~9g程度とされています。
そのため、短時間に多量のお酒を飲むと、肝臓での分解が追いつかず、血中アルコール濃度が高くなり、酔いが強く現れます。
アルコール代謝の経路
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01. 吸収
体内に入ったアルコールは、約20%が胃から、その他の大部分が小腸から吸収されます。吸収されたアルコールは、血液に溶け込んで全身へと拡散された後、最終的に肝臓へと運ばれます。
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02.代謝 第1段階
肝臓では、アルコールの約90%が代謝されます。このとき主にアルコールを代謝するのはADH(アルコール脱水素酵素)です。ADHによって、アルコールはアセトアルデヒドに分解されます。アセトアルデヒドは、お酒を飲んだときに顔が赤くなったり、動悸や吐き気、頭痛などの原因となる物質です。
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03.代謝 第2段階
アセトアルデヒドを分解して酢酸にする酵素がALDH2 (アルデヒド脱水素酵素2型)です。肝識で分解しきれなかったアルコールは肝静脈を通って心臓に送られ、全身を巡り、再び肝臓に戻って分解されます。
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04. 排出
酢酸は無害な物質で、全身を巡るうちに水と炭酸ガスに分解され、体外へ排出されます。また、アルコールのうち約10%は代謝されないままに汗や尿、呼気として体の外に出ていきます。
酔いからさめるのにかかる時間
下図は、お酒に強い中年男性がビール350ml缶を1、2本飲んだ場合の、血中アルコール濃度の変化を示したものです。
アルコールが体内に入ってから約30分後に血中アルコール濃度はピークを迎え、その後、時間の経過とともに徐々に低下していきます。
ビール350ml缶1本に含まれるアルコールが体内から完全に抜けるまでには、約2~3時間かかるとされています。
ただし、アルコールの代謝速度には、体質、年齢、性別、体調などによる個人差があるため、「何時間経てば必ずアルコールが抜ける」と一概に言うことはできません。
血中アルコール濃度の変化
- 出典:公益社団法人アルコール健康医学協会『適正飲酒の生活習慣を築くために』
(原典:Alcohol Alert, National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism)
POINT
- 肝臓が処理できるアルコールの量には個人差があり、体重60~70kgの人で、1時間に約5~9g程度
- アルコールの代謝速度には、体質、年齢、性別、体調などによる個人差があるため、一概に言うことはできない
記事監修:独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター
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