レモンで生み出す新たな価値と地域貢献

ポッカサッポロは、「商品」「価値啓発」「原料(生産振興)」の三位一体でレモン事業を展開しています。1957年の「ポッカレモン」発売以来培ってきた知見を土台に、果汁にとどまらず“レモンまるごと”を活かした価値づくりへと領域を広げてきました。
商品開発やブランド価値向上といった経済的価値を生み出すと同時に、国産レモンを通じて、産地形成、地域雇用、耕作放棄地の活用など、地域に根差した活動にも取り組んでいます。

国産レモン産地と築く地域共創のかたち

国産レモンを取り巻く環境は、国内の需要拡大に対して供給は十分とはいえない状況にあり、生産者の高齢化や担い手不足、耕作放棄地の増加といった課題も抱えています。
こうした背景を踏まえ、「地域活性化」と「国産レモンの持続的発展」を両立させることを目指し、2013年に広島県とパートナーシップ協定を締結しました。以降、研究連携や価値啓発活動、産地との協働など、取り組みを広げてきました。
2019年には広島県大崎上島町に自社レモン園地を開設。生産の現場に自ら携わることで、地域の農業課題に向き合い、地域に寄り添った事業活動を進めています。
大崎上島の自社レモン園地は、地域共創を象徴する場所です。農業未経験の社員が、地域の農家やJAの方に学びながら、土づくりや防獣対策、病害虫対策、異常気象への備えなどを一つずつ積み重ねてきました。寒波や大雨といった自然条件に悩まされながらも試行錯誤を続け、2021年12月には初めての収穫を迎えました。
初収穫時は1t未満だった収穫量も、2025年には6tを超える規模へと成長しました。安定した収量までに約10年を要するレモンだからこそ、自社園地(約50a・約180本)を拠点に、国産レモンの安定供給基盤の確立と産地の自立を見据えた取り組みを続けています。

大崎上島のレモン園地
2025年12月 自社園地
レモン園地での作業風景

地域との共創は、畑の外でも広がっています。島内の空き家を活用したサテライトオフィスを拠点に、日々の交流を重ねることで住民の方々との距離が少しずつ近づいていきました。同じ時間を過ごす積み重ねが、栽培ノウハウの共有を超え、地域をともに盛り上げる絆へと育っています。

レモンを通じた健康づくり

“食と健康”の価値を科学的に深めるため、自治体・学術機関との共同研究も進めています。2018から2023年にかけては、大崎上島町民541名の協力のもと、レモン摂取が健康に与える影響を検証する5年の長期介入研究を実施しました。
その結果、日常的にレモン果汁を摂取することで、血圧上昇の抑制が確認され、健康な状態の維持につながる可能性があることが示唆されました。
こうした研究を通じて、レモンを日々の生活に取り入れる意義を明らかにするとともに、レモンを通じた地域住民の皆さまの健康づくりにも貢献しています。

未来へつなぐレモンの価値

次世代へレモンの価値をつないでいくことも、私達の重要な使命です。2025年12月、大崎上島町立大崎小学校で、社長自らが「レモン食育」出前授業を実施しました。
5年生29名を対象に、クイズや実験でレモンの魅力や健康機能を学ぶ機会を提供し、園地での収穫体験、収穫レモンを使った給食へとつなげる一連の取り組みを行いました。
現場の声に耳を傾け、子どもたちの率直な反応を次の価値づくりに生かす――それは、産地への感謝と、未来の担い手を地域とともに育むという決意のあらわれでもあります。

畑で汗をかき、研究で価値を磨き、教室で次世代へつなぐ。
こうした一つひとつの積み重ねが、地域との共創を形づくっています。レモンの木が年輪を重ねるように、人と研究、学びの輪が広島から日本へと広がっていくように、これからも、地域とともに歩み、その時間を確かな実りへ育てていきます。

レモン食育出前授業での収穫体験
レモン食育出前授業の様子

2025年12月 広島県大崎上島町でのポッカサッポロ佐藤社長による「レモン食育」出前授業の様子