やりがいは、ビールの味づくりを任されること!お客さまを理解して、求める味をゼロから生み出す

2025年04月22日
サッポロビールの若手社員にインタビューし、カイタク(=開拓)をテーマに仕事への姿勢を聞くシリーズ企画の第3回。入社6年目の若き“醸造家” 勝又さんにビールづくりへの想いを聞いてきました。
 
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勝又 郁実

サッポロビール マーケティング本部 商品・技術イノベーション部 ビール開発グループ所属。2020年4月新卒入社。
静岡県焼津市の商品開発部門で試験醸造の工程管理担当を経て、現職ではビールの中味開発を担当。

私は静岡県焼津市にあるサッポロビールの商品開発部門で、ビールの醸造技術者として働いています。現在は黒ラベルおよび限定商品の味づくりを担当しています。着任してからの2年間で、約20商品の開発に携わりました。

ビールの商品開発は、まずマーケティング担当が「こういう商品が欲しい」とコンセプトを言語化し、中味を担当する醸造技術者は、その言葉をビールの味へと変換していきます。
例えば、2024年6月に限定販売した「サッポロ WITH BEERホワイトエール 」 であれば、「軽やかで心地いいビール」というコンセプトがありました。「軽やか」「心地いい」とは具体的に、どんな苦味や味わい、すっきり感なのか。マーケティング担当者とともに、既存のビールを例にして認識をすり合わせます。そのうえで、麦芽やホップを選定し、醸造工程を調整しながら、狙った味を表現していくのです。

担当する商品において、醸造技術者は基本的に1人です。私も入社4年目から1人で担当商品の中味開発を任せてもらえるようになりました。最初は驚きでしたが、やりがいがあります。それに、上司や先輩方が見守ってくれるので、何か私が間違った方向に行こうとすると、きちんとストップをかけてくれます。安心して挑戦できる環境が整っていると思います。
WITH BEER ホワイトエールは、ビールの苦味や香りに抵抗感があるエントリー層に向けた商品として開発がスタートしました。ただ、サッポロビールの社員はビールが大好きな人が多いので、よりターゲットの嗜好を深堀し、本当に求めている味わいを明らかにするために、ビールエントリー層の代表として中央大学の学生さんたちに、協力をお願いしました。

ビールが大好きな私は、飲みやすくするには「苦くなくて、ホップや麦芽の特徴が強すぎないものが良いかな?」と考えていたのですが、学生たちが「飲みやすい!」と言うビールは、意外にも、味に厚みがあって、ホップの香りがしっかりと付いているものでした。私の勝手な思い込みとは違ったことに驚き、面白さも感じました。

WITH BEERホワイトエールの中味開発者として、私にはあるこだわりが生まれました。ビールが苦手なエントリー層向けだからといって、苦味などの特徴を薄めただけでは単なる水っぽいビールになってしまう。エントリー層がターゲットだからこそ、ビールらしいビールをつくりたい。「新しいビールの味をつくるんだ!」という意気込みを持ち、ビールらしいけど飲みやすい絶妙な香味バランスを追求しようと、参加してくれた学生さんたちの意見を道標として開発に臨みました。
現在、国内市場にあるビールはアルコール度数5%の商品が多くを占めています。でも、WITH BEERは「エントリー層に刺さるビール」を目指して繰り返し試験醸造を行った結果、「4.5%」が一番ターゲットに刺さる味に近いと考えました。一般的なビールとは違う骨格だから、社内でもさまざまな意見がありました。ビールの品質面を保証するためにも、通常の商品開発では実施しない試験を行うことにもなりました。

開発の困難や社内調整の難しさで、「アルコール度数、5%にしようかな」と心が折れそうになる瞬間もありましたが、WITH BEERのマーケティング担当者と「必ず、実現しましょう!」と一緒に言い続けてきたからこそ、実現することができました。

いくつか試作品が完成して、改めて中央大学の学生さんたちに飲んでもらいました。すると、参加した学生さんたちが、ある試作品を満場一致で「絶対にこれです!」と断言してくれたのです。選んでくれたのは、私が一番攻めた味。まさにガッツポーズでした。おかげで自信を持って「WITH BEERホワイトエール」を発売することができました。
学生時代の専攻は生物学です。大学院では細胞生物学の領域で酵母の研究をしていました。就職活動を始めた時は恥ずかしながら「この仕事がしたい!」という明確な希望がなかったので、多くの業界の説明会に足を運びました。それぞれの業界で雰囲気に特徴があり、食品飲料・酒類業界はとても温かみがあると感じました。

私は理系なので技術者向けの説明会に参加しました。多くの企業は会社の歴史や事業内容などについて説明します。でも、サッポロビールでは、ビール醸造担当の技術者がひたすらビールづくりの体験や楽しさについて熱く語ってくれたのです。「本当にビールづくりが楽しくて働いているんだなぁ」という強いインパクトがありました。

私は学生時代に仲間とビールを飲む時間がとても好きでした。ビールは嗜好品として、人の暮らしを楽しく彩るもの。ビールという商品に、とても魅力を感じていました。

最終的な決め手は、サッポロビールの社員の人の良さです。面接の時も、人事の方が学生一人ひとりに付いてくれて、面接にリラックスして臨めるよう、順番が来るまでお話をしてくれました。そんな人柄の良さを感じたときに、「この会社で働きたい」と自然に思えたのです。
何よりも、醸造を担うスタッフと一緒に働けたことが大きな収穫でした。その後、私は工程担当を経て、ビール開発の中味担当になるのですが、試作品をつくるときに醸造のスタッフと方法について協議します。一緒に働いていたからこそ同じ目線で話すこともできるし、相談しやすい関係性ができたと思います。

サッポロビールの技術部門の先輩方は、原料やビール造りのプロセス、例えば、麦芽、ホップ、酵母、醸造工程のこまかな調整など、さまざまな専門分野をお持ちです。そして、その分野を探求することが心底大好きな方ばかり。入社して以来、たくさんの知識や技術を先輩方から学びました。

そして、知識以上に学んだのは、「何かを極める志を強く持つ」という人としての姿勢です。サッポロビールは、社歴に関係なく大切な仕事を任せてもらえる会社です。自分から「これに挑戦したいです!」と言えば、受け入れてもらえます。でも、そこには必ず理由が必要です。

先輩方は、新しいことに挑戦するとともに、なぜその挑戦が必要かの意味を熱く語ります。熱い志を抱き、人に伝える言葉を持ちながら挑戦する。その姿勢は、まさに「カイタク者」であり、私自身もそうなりたいと強く思います。
仕事も楽しいですが、プライベートも充実していますね。静岡の焼津地区には、工場、研究所、支社もあるので社員数も多く、共通の趣味のサークルが多くあります。ボルダリングにサウナ、自転車にキャンプなど、本当に多くの集まりがあります。週末には、工場や研究所の先輩方とその家族の皆さんと一緒にカードゲームをよくやっています。(笑)

また、大学時代の友人と会うために週末を東京で過ごすこともあります。友人とお酒を一緒に飲む時間は私にとって特別です。
2025年から、これまでやってきた限定品などの開発業務に加え、黒ラベルの技術開発担当になりました。黒ラベルは、品質面で大きく分けて2つの技術的な観点があります。

まず、今の品質をきちんと守り続けていこうという観点。全国の工場には、それぞれ1名の香味担当がいて、データを集計しながら工場における改善点を話し合う会議が月に1回行われています。その会議に中味担当として参加しながら、黒ラベルの品質をしっかり守る取り組みに携わります。

もう一つの観点は品質のさらなる向上(クオリティアップ)です。黒ラベルは現在の品質を守り続けながらも、そこにとどまることなく、さらなる品質向上の取り組みを続けています。黒ラベルの技術開発担当として、基礎研究を行う研究部門、全国の工場の黒ラベル担当と連携を取りながら、黒ラベルの品質向上のさまざまな取り組みを進めています。

黒ラベルはとても美味しいビールで私も大好きです。より多くの人々に飲んでもらうために、どのように技術的なアピールができるかも技術者の仕事であると私は思っています。

技術者はついつい専門的な沼にはまってしまって、お客さまが求めていることから離れてしまうこともあります。お客さまが求めることを知り、一番響くことを見つけていきたい。それが個人的なテーマにしていることです。

技術担当の先輩方のキャリアを見ると、本当にさまざまです。ビールでは、工場での生産現場、基礎的な研究開発、マーケティング担当になった先輩もいます。同じ部署に、ドイツに海外留学を経験された先輩もいらっしゃいます。ビール以外でも、清涼飲料水やスープの開発に携わってきた先輩もいらっしゃいます。だから、今の私には明確に「将来こうなる」とは言えません。
でも、ゼロからイチをつくる開発には何らかのかたちで携わっていきたいと思います。そして、技術を私の武器にしたい。だからこそ、今は醸造技術を固めたいと思います。ビールはもちろん、ノンアルコールや缶チューハイなどのRTD商品などの知見もためながら、どんな飲料でも開発できるように技術の領域を広げていきたいです。

最近はソムリエの勉強も始めました。ワインがある暮らしって、人生が華やかになると感じます。ビールにもそんな存在になってほしい。そんな思いでワインの世界にも足を踏み入れてみました。
サッポロビールには「誰かの、いちばん星であれ」というビジョンがあります(※)。入社して、初めて知った時は「何かで1番にならなきゃいけないのかな?」「何をしたらいいんだろう……」と思うこともありました。
(※)2026年7月の事業持株会社への移行に伴い、新しい企業理念体系を策定しました。

サッポロビール経営理念/行動規範

今、私は「お客さまに一番近い中味開発者でありたい」というこだわりを持って、すべての業務に携わっています。だから、開発した商品が発売されれば、SNSで検索をする時間を大切にしています。仕事ばかりしていると、気づくとお客さまとの距離が生まれている、ということになりかねないので、常にお客さまの声に耳を傾けるようにしています。

私は、商品を飲んでくれるお客さまにとっての「いちばん星」になりたい。そう、思います。

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