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「日本農芸化学会2026年度大会」においてサッポロビールの研究員が「農芸化学女性企業研究者賞」を受賞

ホップ品種の特有香に寄与する香気成分とその相互作用に関する研究

2026年03月10日

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■受賞者
サッポロビール(株)価値創造フロンティア研究所 高度専門研究員 實方 綾子(さねかた あやこ)


■題目
ホップ品種の特有香に寄与する香気成分とその相互作用に関する研究


■研究・開発成果
ソラチエースは1984年に当社が開発したホップで、このホップを使ってビールを造ると、シトラス、ウッディ、ハーブ等とても複雑で特長的な香りのビールとなります。本研究では、この香りの複雑性を解明することに取り組んできました。
ソラチエースに特異的に高い濃度で含まれるゲラン酸は、香気成分でありながら、ほとんど香りがありません。しかし、自身は香らずとも、他のホップ由来香気成分の香りを増強(エンハンス)することで、ソラチエースの香りの形成に関与していることが明らかになりました。ソラチエースは他のホップ品種とブレンドすることで、お互いの特長を十分に活かしたユニークな香りのビールとなることも分かっており、今後の商品開発への活用が期待されます。
ゲラン酸を生成するソラチエースの特長は非常に珍しく、他のホップとは一線を画しています。当社のホップ育種・開発では、ソラチエースを育種に活用する他、ゲラン酸をマーカーとして有用なホップを探索する等、本研究成果を広く活用しています。


■「農芸化学女性企業研究者賞」について
「農芸化学女性企業研究者賞」は企業において農芸化学分野の優れた研究あるいは商品開発における顕著な成果に貢献した女性正会員に授与されるものとされています。


■受賞者コメント
サッポロビール(株)価値創造フロンティア研究所 高度専門研究員 實方 綾子(さねかた あやこ)

ソラチエースは当社が開発した日本生まれのホップであり、その独特の香りは世界的にも高く評価されています。私自身もソラチエースの複雑な香りに魅了され、香気の鍵となる成分の同定と生成経路の解析、ならびにビール醸造過程での挙動の理解に取り組みました。
当初、ゲラン酸を見つけたものの、ほとんど香りをもたない香気成分であることがわかり、研究に行き詰まったこともありましたが、部署を超えて多くのメンバーよりさまざまなアドバイスをいただきながら、諦めずに研究を進め、このような研究成果を得ることができました。ゲラン酸の発見は、これまでの「香りがない成分=ビールの香りに寄与しない」という常識を覆し、機能がないと思われていた既存の成分の「新たな機能性」を見出す可能性につながるものです。ゲラン酸はいわば、目には見えなくても絶対に必要な、ソラチエースの香りの「陰の立役者」と言えます。
今回の受賞を励みに、引き続きホップの香り研究や、ビール会社として発酵の魅力を探究し、当社のものづくりに貢献していきます。

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